1994年の設立以来、ISO9000など国際マネジメントシステム規格、プライバシーマークなど情報セキュリティ規格の普及、発展、さらにセミナーを通してその人材養成に全力を注いできた品質保証総合研究所(JQAI)。
今回、同社の総務企画部 坂野氏、セミナー事業部 新谷氏に、Safetylink24導入の背景を伺った。
御社の主な事業内容について教えてください。
私どもは、事業の柱としてISO認証審査、プライバシーマークの認定審査等をおこなっております。これらはそれぞれ一般財団法人日本品質保証機構(JQA)、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)からの受託となり、事業全体の80%を占めています。
その他にはISOマネジメントシステム規格、およびこれらに関連する幅広いセミナー事業を行なっています。セミナーは弊社のセミナールームを使うケースと、オンサイトセミナーといって全国のクライアント様に出向いて行なう場合とがあります。
企業のISOの審査をされる、ということですね。
そうです。企業から、JQAへISO認証審査の申請があがります。それを受け、弊社のようなパートナー企業へ依頼がきますので、弊社にてJQAの審査員として実際の審査を実施します。審査は、適合性、有効性、実行性など多岐にわたるものとなり、1年毎の定期審査、3年毎の更新審査を実施します。
御社がSafetylink24を導入されたきっかけを教えてください。
きっかけはやはり、昨年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震です。本日現在で弊社には社内で仕事を行う15名の社員と、ISOの審査員が約150名ほどおりますが、この方々は、北は北海道から南は沖縄まで、全国の企業を対象として審査に行く訳です。企業に工場等の拠点があればそちらへも赴きます。 つまり我々はその事業形態から、常に審査員のほとんどが全国にちらばり、または動き回っている訳です。昨年3月のような事態が発生した場合に、もちろん各審査員は携帯電話を持っていますが、その携帯電話が繋がらなくなったとき、一切の連絡が取れない状況となってしまいます。
なるほど、企業におけるいわゆる「出張者」などよりも遥かに多くの方々が全国にちらばり、また移動をしているわけですね。
その通りです。本日も、現在44人は首都圏で審査、セミナー等を行なっていますが、45人は首都圏以外におります。また12名が明日からの審査のため、飛行機や新幹線を使って国内を移動しています。
そのような日常業務の形の中で、昨年の震災時のご状況というのはどのようなものだったのでしょうか。
幸いにも、最終的に大きなけが人や行方不明となってしまった方などはおりませんでしたが、あの日東北方面へ行かれていた方、あるいは地方在住の審査員でご自宅が東北地方の方などとは、連絡がとれたのは震災から3日後だったと記憶しています。その間はまったく状況が掴めない、という状況でした。
逆に、ご自宅が宮城県にあって、あの日たまたま首都圏に来られていたという方もいました。その方は自宅のご家族と連絡が取れない。結局、数日は首都圏にとどまりましたが、自力でタクシー等を使ってご自宅へ戻られました。あの時ご家族の安否状況が分かっていれば、動き方も違ったものになっていたと思いますし、何よりもあのような不安は感じずに済んだと思います。
また、当日弊社のセミナーにご参加いただいた方々には、毛布・飲食物を提供し、皆様弊社内に泊まっていただきました。秋田からお越しの方は、三日間掛け新潟経由で帰宅なされたと、後日伺いました。
ご本人の携帯や弊社固定電話への通話が同様に困難だったと思いますので、このシステムを導入する企業が広がり増えれば、留守宅や企業の不安が払拭できると思います。
弊社もHP等で、セミナー参加者の安否確認も即時に掲載できるように変えるべきと思った次第です。
なるほど。それでこのような仕組みをご検討された訳ですね。では、今回Safetylink24を選択されたポイントについて教えてください。
もちろん当初は5つくらいのサービスを見て比較検討しました。我々としての必要要件は、主に「家族機能、使い易さ、価格」の3つでした。
それぞれについて詳しく教えてください。
はい。審査員のご家族間でも安否確認ができる家族機能については、昨年3月の時に、先述の宮城在住の方のような例もありましたので必須要件として挙げていました。ご家族と離れてのお仕事をして頂いている訳ですから、この部分の安心を提供するのは我々の責任だと思っています。
使い易さというものも我々にとっては非常に重要です。実は150名の審査員のうち130名以上の方が60歳以上の方です。誰でもが分かりやすいものでなければ結局使われない仕組みになってしまいます。その点Safetylink24は画面の構成等も非常に分かりやすく、大変使いやすいと感じています。
そして最後の価格ですが、災害は起こらない方が良いに決まっていますが、その意味でこのようなサービスへの投資は、ある意味掛け捨て保険のようなものでもあります。現実的な価格でなければ永く使って行くことはできないと考えています。
その他には、二次連絡の容易さ、そして個人情報に対してきちんと配慮されたシステムであるかどうか、という部分も詳細に確認をしました。
現在はほぼ全ての方の登録も終わり、防災の日である9月1日には発報テストも済まされたと聞きました。
そうですね、若干まだ登録が済んでいない方もおりますが、ほぼ9割程度完了しています。そして9月の発報テストでは約170件への配信を行ない、初日で7割の回答を得ることができました。初回のテストとしては概ね成功だったと考えています。来年の3月には再度テスト配信を実施する予定です。
9割近い登録が完了しているということですが、審査員の方が日常的に全国を飛び回ってらっしゃることを考えると、周知など大変な部分も有ったのではないでしょうか。
審査員がご高齢ということもあり、少し時間が掛かってしまった部分はあります。ただ、登録率については、Safetylink24が持つ家族機能がすごく貢献をしていると思っています。「会社が提供する仕組みが、ご家族間の緊急連絡ツールとしても使える」というのは審査員はもとより、サポートする社員にとってもメリットです。そのメリット感があるからこそ、登録も自発的にやっていただける訳です。
なるほど分かりました。今後の機能要望等があれば教えてください。
そうですね。2点ほどあるのですが、やはりキャリア各社の迷惑メール対策に対して、なにか良い対応方法があればと思っています。これはキャリアさん側の問題になるので御社としても難しいところかとは思いますが。
もう一点は、携帯電話からの登録をもっと分かりやすくサポートしていただけるとありがたいと考えています。例えば自分のID登録、ご家族のID登録の方法がビデオで見られるなど、ご高齢の方でも簡単に理解できるものがあると大変助かります。
お忙しい中、ありがとうございました。
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