古来より世界をつなぐ道として栄えてきた日本文化の中心地である京都で、思う存分に世界の言語と歴史・文化を学び、よりグローバルな社会に貢献できる人材を育てる学校法人 京都外国語大学。2017年に学園創立70周年を迎え、2018年度には「国際貢献学部」を設置するなど新たな取り組みに力を注いでいる。そんな学内プロセス効率化に活用されているActionPassportについて、法人部 施設管財課 主事 中原学氏、同グループ 北山賢一郎氏に導入のポイントやその効果などをうかがった。
まずは学校のご紹介をお願い致します。
2017年で創立70周年ということで記念事業や色々な改革を行っています。その中のひとつとして、認可されれば新しく国際貢献学部ができ、グローバルスタディ学科とグローバル観光学科が設置される予定です。国際貢献は色々なスタイルがありますが、例えば海外のNPOなどに参加出来る人材を育て、現在の国際情勢を学んでいける学科にしたいと考えています。
国際的な場所である京都の外国語大学ということがすごく重要ですね。
海外から見ても行きたい街ということで、観光の学科を新設しました。
その他に目玉としては、現在新しく4号館を建築中です。モダンな作りで有名な建築設計事務所にデザインしていただき、学生にとって居心地がいいということを重要視しています。2017年夏頃に完成して秋学期から利用スタートする予定です。
2016年10月に50名でActionPassportをご契約いただきました。その後12月に追加で300名をご契約いただいたのですが、この期間に構築をされたのでしょうか?
そうですね。まずは簡単な稟議書を作成して、法人部の50名でテストしながら作り込み、12月に全ユーザーに展開しました。
2ヶ月という短期間で構築から運用までのお時間は十分でしたか?
ActionPassportのエクセルをインポートする機能にかなり助けられました。まずは紙媒体のものをそのまま電子化してみようというコンセプトでしたので、比較的スムーズに開発は進みました。
今現在は何帳票くらいお使いになっているのですか?
今は使い始めているものが7帳票、4月1日からもうひとつ増えて8個になります。随時増やしていく予定です。
最初は分かりやすいものからということで、休暇届や休日出勤願い、住所変更願いなどの勤怠関係からスタートしました。スタートから間もないですが、休暇届は申請数が多くて、意外とみんな使っているようです。
ご覧いただくとわかりますが、以前の紙の申請書の見た目をほぼそのまま電子化しています。これは限られた期間でワークフロー化することもひとつの理由なのですが、70年間紙の申請をし続けたので、少しでも電子化への抵抗を少なくするため、全く一緒のレイアウトで作成しました。
そのため、帳票レイアウトの自由度は、選定する時に最も重視しましたね。
色々な製品のシステムを実際に見たり、セミナーにも行きましたが、ここまで紙レイアウトをそのまま再現できるものは他に無かったですね。
ありがとうございます。かなり事前にテストされたとうかがいました。紙レイアウトの再現性が一番のポイントということですね。
そうですね。あとはクラウドであるということ。
前年度に学園IT化マスタープランというものを作り、6つの方針に従ってIT化を進めていこうと決めました。その中で「ワークフローシステムを導入すること」、「情報システムを最適化してクラウド化すること」をあげており、そのふたつの基本方針に合致しました。
他にはどんなものをクラウド化されていますか?
例えば、今半分動き始めている会計システムですね。以前はいわゆる汎用機時代の遺産を使っていましたが、更新時期になり新しいものを導入することになりました。今度リリースする新しい稟議書は、その会計システムと連携するものになっています。
データベース連携機能や、決裁データ出力オプションを使うことで、複雑な連携が可能になって助かりましたね。
会計システムのマスタを参照してActionPassportで検索して入力できるようにしたり、予算の残高確認をして支払い後の予算額が分かるようにするなど、かなり作り込んでいます。
他には承認者の履歴を帳票内上部に表示しています。これは紙レイアウトとは違う箇所ですね。以前は押印という実態を再現する必要があり、手動押印にしていたのですが、押印せずに承認する方が多くて、差戻しが多発していました。今回それを解決するために、履歴表示を押印の意味合いにし、押印はなくしました。
ただ、最終決裁だけは見栄えのためにもしっかり押印を残しています(笑)。
なるほど。電子化することでフローが見直され、洗練されてきたのですね。見た目はシンプルな帳票に見えますが、裏でたくさん作り込まれていますね。
ActionPassportは色々機能が備わっているので、作り込むことができますね。
新しく導入した会計システムも春からスタートするので、ActionPassportとの連携も合わせて学内で機能の説明会を行いました。前回の休暇届の時は特に問題なかったのですが、会計システムと連携して申請するところは少し理解のハードルが高かったようです。
休暇届の時は初めてだったので、申請や取戻しの仕方などを動画で撮影してYouTubeで見られるようにしました。皆さん結構見ているようで、それが短期間でリリースできた理由かもしれません。
今は当校のセキュリティ的に学外からはアクセスできないようにしていますが、家から申請や承認したいという要望もありました。
例えば教員が承認する帳票の場合、授業のない日は来ないことがありますし、海外出張も多く、中々進まないんです。事前に代理承認の権限を与えておけばいいのですが、できていないことも多く、こういったリクエストがあるようです。
なるほど。セキュリティの高い端末認証などのサービスをご利用いただければ特定のPCからのみアクセスすることもできますので、是非ご検討ください。
検討された期間はどれくらいでしたか?
私が施設管財課の情報システム推進担当になったのが、2015年の4月で、そこからマスタープランを作成し、実際に導入したのが2016年の10月ですね。
マスタープランでは、出張申請を紙運用からワークフロー化することによって工程が58%削減(工程数は1/2になり、64分かかっていた時間が27分)されるというシミュレーションをしました。1年間で申請された出張届2,654枚をワークフローで処理すると1,634時間浮くので、システム費用は簡単にカバーできます。その他にも稟議書14,181枚など、まだまだ紙運用のものがあり、申請の度に台帳で管理しているので、これを全部ワークフロー化して、本来の業務に集中できるよう働き方を変えましょうと。
そうですね。時間を対価にすれば大きな金額になりますね。
はい。その他にも人事給与システムの導入やグループウェアなど、色々なIT化を計画しています。
まだ開発中なのですが、GoogleAppsでポータルサイトを作ってそこからSAML認証でActionPassportへの連携や、ポートレット表示オプションを使って表示できればと考えています。
これは結構便利なので、是非実現していただきたいですね。あとは駅探連携オプションも使ってらっしゃるんですね。
これからですね。駅探は旅費交通費の精算時に、そのルートの妥当性やルート確認、経路による運賃の計算に使っています。ただ、現在旅費交通費の支払い方法変更や学園全体の意思決定を伴うので、今後運用開始の予定です。
学校ということで、他の企業とは違った決まりがあって大変そうですね。
ただ、ActionPassportは柔軟性が高いので、色々なルールに合わせて複雑なルートも作ることが可能だと思っています。
ユーザーの入り口は全部ActionPassportで統一してしまえば、裏側のシステムの連携やリプレイスもできますしね。ちょっとしたアプリのようにも作れますよね。
おっしゃる通りです。体裁が「紙のように」ということでアナログなイメージをお持ちの方もいらっしゃるのですが、裏側をかなり作り込めるのでアプリケーションを開発するレベルの知識を持っている方にも馴染みがよいと思います。
導入されて一番効果が出たところは時間ですか?
今作った休暇届などは既存の踏襲なので処理を高速化しただけなんです。
本当の狙いは、無駄な処理を無くすことです。ActionPassportでルートが可視化できたことで「この人の決裁がいるのか?」という声も出て、見直すきっかけになったことが良かったですね。
開発の際のご苦労はどのようなことがありましたか?
ActionPassportは非常に分かりやすいシステムだと思います。Designerツールでの人・組織・ドキュメント・フロー・公開区分の考え方がシンプルですよね。
もちろん細かい部分はサポートセンターの方にフォローしてもらっています。サポートセンターの方の品質も高く、問い合わせて行き詰まることが無かったので、構築していくうえでとても助かりました。
ありがとうございます。サポートセンターでは、質問にお答えするというよりも課題を解決することを意識するように努力しています。
<この後YouTubeも拝見し、目的ごとにとてもわかりやすく作られた動画が10数本学内向けに公開されていました。>
この動画を作ったことで質問がほとんど無かったです。連絡があっても、動画を見てもらえばわかることがほとんどでしたね。今はシステムの説明会でも、最初に動画を見てもらうところから始めています。
ActionPassportを最大限活用していただいていることがよくわかりました。 お忙しい中、ありがとうございました。
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