Case study導入事例

食品の安全・安心を守るために、パッケージデザインには非常に高い精度が求められます。 | 理研ビタミン株式会社様

1917年(大正6年)の創業以来、「天然物の有効利用を図る技術と商品で、人々の健康と栄養に寄与し、社会に貢献する」という企業理念を継承し、経営理念として掲げてきた理研ビタミン株式会社。
今回、同社の全パッケージをマネジメント、制作する食品開発部 パッケージングチームの斎藤氏と佐々木氏に、ActiveAssetsを活用したロンプロシステム(Riken Online Proofread System)の導入の背景とその効果を伺った。

「作業効率」「より高い信頼性の確立」「コストの削減」これらの改善と向上が課題でした。

お二人が所属されているパッケージングチームの業務について教えてください。

理研ビタミン株式会社は、家庭用として「わかめスープ」などのわかめ製品、ノンオイルシリーズのドレッシング、中華調味料などのレトルト食品、和風調味料などのだしの素製品、また業務用としても学校給食用、産業給食用として、各種調味料をはじめ、レトルトスープ、各種たれ、ドレッシングなど、さまざまな製品を開発、提供しています。
そのなかにあって私たちパッケージングチームでは、家庭用・業務用の新製品、リニューアル品などあわせ、年間でおよそ150ほどのパッケージ制作を行なっています。

パッケージが出来るまでの流れを教えて頂けますでしょうか?

まず初めに、商品企画部門から新製品の企画が立ち上がります。商品コンセプト、味の方向性、価格帯、発売時期、ターゲット等、詳細な情報が網羅された企画依頼がパッケージングチームへ届き、企画担当者と打ち合わせを行ないます。
その上でパッケージングチームはデザインコンセプトに落とし込み、デザイナー、カメラマンなど外部スタッフへデザインディレクションを行ない企画担当者やデザイナーとキャッチボールを繰り返しながら最終デザインにまとめ上げていきます。その後デザイナーから入稿データを受領し、そこからパッケージ内容について詳細な確認作業へと入ります。パッケージングチームはこの後の印刷、納品されるまでの全体のマネージメントを行ないます。

ActiveAssetsを導入された背景を教えてください。

我々としては、パッケージ制作の業務全体において大きく3つの課題があると認識していました。ひとつ目は「作業効率」、ふたつ目が「より高い信頼性の確立」、3つ目が「コストの削減」です。
これらを改善、あるいはより向上させる為のシステムを探していました。

2週間かかっていた業務が1日で完了した例も。

ActiveAssetsを導入した効果について、まずは「作業効率の改善」について教えてください。

元々は我々の制作するパッケージの版下回覧は、全て紙で行なわれていました。工場、本社とそれぞれ担当がいる訳ですが、当然、見る人がそのタイミングで不在にしていればその版下回覧はそこで止まってしまいます。
そういった不在をきっかけにして、見て欲しい回覧物が書類の下に埋もれてしまうなど、非効率なフローが行なわれていました。

1回の回覧物で何名くらいが平均的に関わるのでしょうか。

あくまでも平均ですが、だいたい15~20人程度が回覧のフローに入ります。そのため、順調に行って1週間、不在などによる滞留があった場合には2週間程度掛かってしまう事も稀ではありませんでした。
なかなか進んでいない事が分かった場合には、どこで滞留しているのかを確認するために電話をして、デスク周りを探してもらうなど、非常に煩雑な作業を行なっていました。

拠点をまたいだ回覧というものもあったのでしょうか。

当然あります。回覧を複数部署に同時に依頼する場合にはその分の複製を作成して社内便で送っていました。 これは複製した分、滞留の可能性も確実に増えるわけですが、こういうケースで一番恐れていたのは、紛失リスクです。

ActiveAssetsを導入してから、関係者が同時に版下を確認することができるようになり、2週間かかっていた回覧作業が1日で完了したことがありました。また滞留、重複作業などは大きく改善されました。

次にあげられた「より高い信頼性の確立」についてはいかがでしょうか。

我々の取り扱っている商品は食品ですので、この食品の安全・安心を守るために、パッケージデザインには非常に高い精度が求められ、表示ミスは絶対に許されません。そのためこれまでの業務でも、表記に関する信頼性というものが疎かにされたことはもちろんありません。ですが、それが故に、そこには多大な労力がかかっていました。

例えば表記統一についてですが、過去の表記を簡単に参照することができれば作業は楽なものに、また精度を向上させることができます。
しかしながらこれまでの業務フローでは、過去のファイルを見る為には、実際にその紙をファイリングした棚や倉庫などから探し出して確認する、ということが必要でした。
また、表記には、単純に統一・標準化されていれば良いというレベルのものと、法改正などによって、例えばアレルゲンや添加物表記等のルールへの対応など、絶対にミスの許されないものなど、さまざまなレベルのものがあります。いわゆるJAS法や品質表示基準などといったものです。これらに準拠して信頼性を維持する為に、より確実な仕組みの導入というものを常々進めたいと考えていました。

今挙げられた様々な確認に、どれだけの部門が関わるのでしょうか。

ざっとあげるだけでも、法表記等の確認は品質保証部が、コピー内容の確認は食品開発部、商標関連の確認を知財部、寸法等の表記については生産技術、原材料、栄養成分等の数値的な確認は技術グループといった具合です。
このように多岐にわたる部門がそれぞれの責任において確認をしていきます。これだけたくさんの部門や人が関わるわけですから、この確認作業というものが重複や漏れがなく、確実に、効率的に行なわれるということは重要なポイントとなる訳です。

詳細情報を用いた検索性に優れるActiveAssetsにおいては、まさにこの精度の向上、ひいては信頼性の向上という部分が非常に大きなウェイトを占めています。

当初想定していなかった効果もあがってきています。

それでは3つ目の課題として上げられた「コストの削減」について、その効果を教えてください。

実はActiveAssetsの導入前もサーバを使った版下デジタルファイルのやり取りでの確認フローは実践していました。しかしその仕組みでは校正担当者や閲覧者各自のPCにアプリケーションをインストールする手間や、そのアプリケーションのバージョンアップ費用、またサーバのメンテナンス費用、人件費、など決して少なくない費用がかかっていました。また先述のFAX、郵送などの費用もばかになりません。
ActiveAssetsの導入によってこれらの問題が解決しただけでなく、プロジェクトが可視化されたことにより、資材の発注時に重複や無駄を省けるなど、当初想定していなかった効果もあがってきています。実際に試算しましたが、これらを合わせると年間数百万単位でのコスト削減が図れています。

ありがとうございました。非常に大きな効果を実感していただいていますが、その他にも導入のメリットなどがあれば教えてください。

どのような製品、サービスでもそうかも知れませんが、食品に関しては、よりその安全、信頼というものを追求する必要があります。もし表記に誤りがあれば、その商品は何億円かけてでも回収しなければなりません。企業としての信頼も大きく損なわれてしまうでしょう。
幸いにもこれまでそのようなことはありませんが、そのような誤表記は、消費者の手元に渡る前に工場で、工場の前の包材の段階で、さらにその前の版下の段階で、と、できるだけ前倒しで発見する必要があります。
当チームでは印刷会社での立ち会いの段階においても読み合わせを行ないます。この安全・精度といったものへの私たちの想いを、高い次元で担保してくれるのがロンプロシステム(ActiveAssets)であると考えています。

今後の利用拡大についてはいかがでしょうか。

現在ロンプロシステム(ActiveAssets)は、国内約10拠点と中国大連の工場にて活用していますが、今後は国外にある各拠点での利用拡大を検討しています。また、包材仕様書というものがあるのですが、これらの一元的管理が現在課題になっています。今後ActiveAssetsの利用をこれらの情報共有ツールとしても広げていきたいと考えています。

お忙しい中、ありがとうございました。

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理研ビタミン株式会社様
代表者 堺 美保 理研ビタミン株式会社様
従業員数 891人 (連結3,081人) (2012年3月末現在)
事業内容 家庭用食品、業務用食品、加工食品用原料、食品用改良剤、化成品用改良剤、ビタミン類などの製造・販売
Webサイト http://www.rikenvitamin.jp/

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